登山技術講習会

スポーツ生理学

1. 筋収縮とエネルギー
(1) 運動のエネルギー
運動の基本は、筋が収縮する事である。
筋が周しゆくするときのエネルギーの本体は、アデノミリン酸(ATP)と呼ばれる高エネルギーリン酸化合物である。
爆弾が破裂したときに高いエネルギーを発生するように、ATPも分解して大きなエネルギーを発生する。
(2) 食事と炭水化物(エネルギーの貯蔵)
食物として摂取された炭水化物は、消化吸収されて、グリコーゲンとして肝臓と筋肉と一部はグルコースとして血液中に(血糖)に蓄えられる。
(3) スポーツ活動の疲労回復
身体(肉体)疲労は、グリコーゲンなどのエネルギー源の消耗や乳酸などの代謝物の蓄積が原因であるので、充分な休養、睡眠と栄養を摂取する事で回復する。
運動後に食事を摂らなかったり、食事の内容が脂質と蛋白質だけの時は、筋グリコーゲンはなかなか回復しない。
減少した筋グリコーゲンを速やかに回復させるには、ご飯、もち、パンなどの糖分の多い食事(高糖質食)が最も効果的である。
疲労の回復を早めるには、消化吸収の良い炭水化物食品の他に鉄の吸収を促進する ビタミンC クエン酸を含んだオレンジジュースや柑橘類、カリュムやカルシュームなどの補給を欠かせないようにする。
馴れないスポーツ活動やトレーニングの後では、筋肉が硬くなり痛みを感じる。
この筋肉痛は筋活動した日より1〜2日経ってからピークに達し、1週間ぐらいで消失するが、これを遅発性筋肉痛(DOMS)と呼んでいる。
DOMSは筋が引き延ばされながら力を出すうんどう(エクセントリックな収縮)に多発する。例えば野球のピッチングステップ脚、下り坂や階段を降りるときに踏み出す大腿の筋肉は、伸張しながら体重を支えるるために、疲れて「膝が笑う」状態になる。 筋肉痛の予防や治療に特効薬はないが、ストレッチングや運動直後のアイシングがこうかがある。
スポーツ活動で疲れた後に、軽い運動をするとマッサージや入浴と同じように血行が促進されて、疲労の回復が早まるがこれを積極休憩と呼んでいる。
疲労回復には
40℃前後のあまり熱くない湯に10〜20分間ゆっくり入り、さらにマッサージをおこなえば効果的である。
血液中から乳酸が完全に除去されるまでには、安静のままでは2時間かかるのに対し、積極休息では1時間以内ですむことになる。
このような積極休息は、中枢性疲労に対しても効果がみとめられる。